【Q&A 具体的なノウハウーーーこれまでの皆さんの質問から】 −− BBS「連句KUSARI」は2020年8月31日にて終了しました。 −− [連句KUSARI]のルールは、あくまで冒頭の【連句の原則】だけです。しかし、このBBSには連句をよく知っているかたのほか、まったく初心のかた、俳句や、川柳だけをなさるかた、、いろいろなかたが参加されています。そこで、連句での一般常識、方法論について、またこの[連句KUSARI]での具体的な運用をどう考えているかについてのご質問と答えを、ここに付け加えておきます。 めぎつね |
6.恋の句は、受けるのが一応のエチケット
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16.転じてない−−−−って、どういう句?(1999.11.1) 転じてるか転じてないか、議論したら難しいですね。けっきょくは仲間の知性と感性での判断ですよね。はっきり転じてない例をあげます。 (1)三句が続いたストーリーになっている。(三句がらみ) 例A @ 出会った彼と今日は晴れの日 A七色の光を浴びて高砂や ×B 思いもかけず成田離婚に 出会った彼と結婚式をあげ結局成田離婚になってしまうと、同じ主人公の続いた物語。13の例の転じてる例と比べてください。 (2)ウチコシ句へまた戻る感じがする(観音開き・輪廻) 例B @ エステ通いの街に春雨 A 若者が傘さしかける沈丁花 XB 予報はずれの雪がちらちら 春雨――傘――雪では、どうも景色が元へ戻ってしまうでしょう。 例C @ ビールの瓶がずらりならんで A 冷蔵庫だけが父さんのおともだち XB 釣り餌のウジがもう蠅になり @とBは冷蔵庫にはいっているものですから、付けの発想が繰り返しになってるでしょう。。 17.「ウチコシの障り」「差し合い」って何?(00,2,6) 「障り」「差し合い」とは連歌俳諧用語で、「イケナイこと」です。式目(ルール)違反をいいます。 「ウチコシの障り」はウチコシ(打越)にイケナイ問題があること。 18 転じーー ウチコシのチェック――― 単語からチェックする伝統的な方法です。これまでの連句のものの見方の参考までに。 (1)ウチコシに同素材を避けること。 *同じ素材 たとえば16の例Bは「春雨、雪――降り物のウチコシでいけない」と言います。ウチコシ句に同素材を使っているとたいてい転じませんよね。 素材例(常識的に判断してください。以下の例は連句での古典的な素材分類です) 神仏 無常 述懐 妖 病気 人名 地名 天象 山野 水辺(海、川など) 降物 聳物(そびきーー霧、煙) 生類(獣・虫・鳥・魚) 植物(木・草・竹) 衣類 飲食 居所(建物) など。現代では 家族 スポーツ 芸能 芸術 学問 家族 など加えます。 (2)同じような表現。(よくある例) ×行体 のウチコシ 「走る」 のウチコシに 行く、帰る、跳ぶ、 ×肢体 のウチコシ 「目」のウチコシに 背、口、骨、手、足 19 自他場って何?―――転じの方法論。 芭蕉の弟子立花北枝が考案したといわれ、蕉風伊勢派に伝わる転じの方法論です。 各句を自、他、場、自他半の4種類に分析して、同じ種類(自―自)がウチコシにこないようにします。 @人情 自の句(自分) (例) エステ通いの街に春雨/ 春雷遠く聞く昼さがり A人情 他の句(他の人)) (例) 船長さんはダンスおじょうず/ほそい腕で猫を抱きあげ B人情 自他半(ジタハン 自分と相手と)(例)出会った彼ときょうは晴の日 C場(バ、人がいない風景) (例)予報はずれの雪がちらちら 知っておくととても便利ですが、無理に分類したり、こだわりすぎないようにね。 |
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