２０１１年４月
(97194 オカマのバーに勤め８年 和)
4月01日(金) 97195 カウンター越しに虚実が行き交って 唯
4月01日(金) 97196 口をへの字に福沢諭吉 氷心
4月01日(金) 97197 １万円大ふんぱつの募金箱 兎
4月01日(金) 97198 焼け石の水気化に虹立つ ふさ子
4月01日(金) 97199 ひまわりの画用紙ぐいとはみ出せり ひわ
4月01日(金) 97200 若さ寡黙に汗光らせて 唯
4月01日(金) 97201 感謝する声が励ます自衛隊 キリマンジャロ
4月01日(金) 97202 又も始まる郷の民謡 とけた
4月01日(金) 97203 花舞台風は静かに通り抜け あずき
4月01日(金) 97204 朧な月にゆれる人影 ゴロ
4月01日(金) 97205 外を見る窓の小さく放哉忌 キリマンジャロ
4月01日(金) 97206 汽笛の音の遠く聞こえて ひわ
4月01日(金) 97207 最後まで命のビザを発給し 美句志
4月01日(金) 97208 箒目を立て路地を清める とけた
4月01日(金) 97209 生垣の隅に咲きたるシャガの花 ザリ
4月01日(金) 97210 貴船まつりで買うたおみくじ 藍
4月01日(金) 97211 カタログを飽かず眺めて叔母様は とけた
4月01日(金) 97212 小洒落た服の柴犬のジロ ザリ
4月01日(金) 97213 白壁に鳥居のマーク記されて 不用之助
4月01日(金) 97214 屋敷を巡る小川せせらぎ ちいばば
4月02日(土) 97215 光透け鯉がゆうゆう賭け抜けて ばらずし
4月02日(土) 97216 待つ身に長し僅か５分が ひわ
4月02日(土) 97217 こだわりのカップラーメン出来上がり ザリ
4月02日(土) 97218 湯気に紛れて隠す涙を 唯
4月02日(土) 97219 手紙には悲しいことの並びいて キリマンジャロ
4月02日(土) 97220 薄の穂綿風の意のまま 不用之助
4月02日(土) 97221 草鞋ぬぎここで暮らすか城下町 ゴロ
4月02日(土) 97222 五字の熟語で家訓したため とけた
4月02日(土) 97223 高齢者パソコンなんてつかえない ちいばば
4月02日(土) 97224 賞味期限は食べて確かめ ザリ
4月02日(土) 97225 次々とおいしい話選挙カー たつみ
4月02日(土) 97226 残雪の山里は初蝶 とけた
4月02日(土) 97227 三椏の花盛りゆえ撮影に ばらずし
4月02日(土) 97228 熟女の君に振り回されて ザリ
4月02日(土) 97229 ガトーショコラ金のフォークに銀の皿 不用之助
4月02日(土) 97230 ウィーンフィルのモーツァルト聴く Ｒ
4月02日(土) 97231 レクイエム弓状列島染みわたり あずき
4月03日(日) 97232 いつになったらともる漁火 氷心
4月03日(日) 97233 昔良し絹縫う母のそばに居て ばらずし
4月03日(日) 97234 あねさまごっこの島田打掛 氷心
4月03日(日) 97235 雨上がり肉球続く中廊下 ザリ
4月03日(日) 97236 虹の大きく架かる西空 ひわ
4月03日(日) 97237 あの人の声が聞こえた曲がり角 ゴリ
4月03日(日) 97238 胸の隙間は未だぽっかり 不用之助
4月03日(日) 97239 熱燗が沁みると軽くなる心 キリマンジャロ
4月03日(日) 97240 最終電車もう来るころに ザリ
4月03日(日) 97241 月明かりだけを頼りに帰る道 唯
4月03日(日) 97242 いま聞こえたよほらカネタタキ 藍
4月03日(日) 97243 能舞台息吐く間にも芸のあり あずき
4月03日(日) 97244 老松静かに枝を広げて ばらずし
4月03日(日) 97245 夕暮れて二人で歩く坂の道 合
4月03日(日) 97246 別れる前に言っておくこと 藍
4月03日(日) 97247 何よりも体大事にしておくれ たつみ
4月03日(日) 97248 涙涙で下りる緞帳 唯
4月03日(日) 97249 池之端そぞろ歩きて花の宿 とけた
4月03日(日) 97250 紐いろいろに解けて散らばる Ｒ
4月03日(日) 97251 ときめきと恥じらいのある夢一夜 天球
4月03日(日) 97252 狐のお面掛けてある部屋 とけた
4月03日(日) 97253 弱き者助けるおいら義賊だい あずき
4月04日(月) 97254 仲間は５人森が住みかだ ばらずし
4月04日(月) 97255 季節ごと色塗り替える落葉樹 ひわ
4月04日(月) 97256 青の時代を耐えて過ごして 唯
4月04日(月) 97257 はにかんで付けた真珠の耳飾り 不用之助
4月04日(月) 97258 窓辺に置いた鉢は風草 とけた
4月04日(月) 97259 揺れながら心ときどき触れ合って 唯
4月04日(月) 97260 蝶々の如く舞うはパ・ド・ドゥ あずき
4月04日(月) 97261 花開き急ぎゆかねばスケッチに ちいばば
4月04日(月) 97262 バイクの響き残る玄関 ゴロ
4月04日(月) 97263 今流行り重ね着ルック叔母五十 とけた
4月04日(月) 97264 屈託なくて女盛りよ ちいばば
4月04日(月) 97265 あじさいに雨滴の青く光りいて キリマンジャロ
4月04日(月) 97266 ネオンが招くビャーガーデン とけた
4月04日(月) 97267 よたよたと飛行できないメタボな蚊 ザリ
4月04日(月) 97268 小さな声でプロポーズされ 天球
4月04日(月) 97269 口もとに近づいてみる読唇術 ばらずし
4月05日(火) 97270 古き井戸より迸る水 美句志
4月05日(火) 97271 大垣は結びの地にと芭蕉翁 ひわ
4月05日(火) 97272 子どもがかけてくる花の下 藍
4月05日(火) 97273 蓬餅手作りなれどかたちよく 不用之助
4月05日(火) 97274 ひと塊の猫深眠り 鶫
4月05日(火) 97275 レジ前に看板娘腰を据え ばらずし
4月05日(火) 97276 夫唱婦随に不満たらたら キリマンジャロ
4月05日(火) 97277 焼き芋を先にさっさとみんな食べ たつみ
4月05日(火) 97278 花びらはらり散る昼下がり ばらずし
4月05日(火) 97279 矢作川水を悠々湛えたり ザリ
4月05日(火) 97280 去年の仲間わかれわかれに ちいばば
4月05日(火) 97281 熱心に「葉っぱのフレディ」読んでる子 蕗
4月05日(火) 97282 クワガタムシの孵化を楽しむ 和
4月06日(水) 97283 山々に圧し掛かりたる雲の峰 ひわ
4月06日(水) 97284 烏も飛ばぬ漁港ひっそり ふさ子
4月06日(水) 97285 野菜市自然農法売り物に とけた
4月06日(水) 97286 つい確かめる産地表示を 唯
4月06日(水) 97287 寅さんの生まれ育ちは柴又で キリマンジャロ
4月06日(水) 97288 マドンナに吹く強い川風 唯
4月06日(水) 97289 「好きです」の文字あちこちに散らばって あずき
4月06日(水) 97290 瓦礫の中に形見見つける 伊都
4月06日(水) 97291 ビルの上船頭なしで船登る 天球
4月06日(水) 97292 いつものように青い海空 ザリ
4月06日(水) 97293 サッカーのだぶだぶビブス赤と黄で あずき
4月07日(木) 97294 入学式が無事終了し 美句志
4月07日(木) 97295 花の枝蜜を啄ばむ小鳥達 ザリ
4月07日(木) 97296 きっとあなたは私のとりこ ひわ
4月07日(木) 97297 ありがとう元気をくれるお味噌汁 ザリ
4月07日(木) 97298 涙はごみの所為と言いつつ ふさ子
4月07日(木) 97299 公園の話題は核の廃棄物 唯
4月07日(木) 97300 被曝限度を変えるつもりだ キリマンジャロ
4月07日(木) 97301 真実を隠しきれるか鍋の蓋 唯
4月07日(木) 97302 妻の不満は至る所に キリマンジャロ
4月07日(木) 97303 花便りいつも変わらず北上し ちいばば
4月07日(木) 97304 車窓より見る里の山々 ザリ
4月07日(木) 97305 軸足の右と左を替えて生き あずき
4月07日(木) 97306 地震疎開の学童の家 たつみ
4月07日(木) 97307 幾度の転居銀行マンの性 和
4月07日(木) 97308 犬は尾をふり猫は逃げ出し ザリ
4月07日(木) 97309 優しさを目に見せられず赤い鬼 カンちゃん
4月07日(木) 97310 民話の里は雪に埋もれて ちいばば
4月07日(木) 97311 福寿草可愛い姿のぞかせて ばらずし
4月07日(木) 97312 安全祈願若水を汲む 蕗
4月08日(金) 97313 真夜中にまたも余震で避難して ばらずし
4月08日(金) 97314 蝋燭の火に浮かぶ思い出 美句志
4月08日(金) 97315 日常の当たり前なる幸せに 伊都
4月08日(金) 97316 親亀小亀寝いる川端 不用之助
4月08日(金) 97317 遠山は雨に煙りて合歓の花 キリマンジャロ
4月08日(金) 97318 カーナビ消して走る一日を 唯
4月08日(金) 97319 胸うちに温めているあの言葉 みのり
4月08日(金) 97320 小箱に要れたルビーの指輪 ザリ
4月08日(金) 97321 黄金虫金持ち証拠に蔵たてて 不用之助
4月09日(土) 97322 鑑定団の収録を見る 美句志
4月09日(土) 97323 キッチンに仕舞忘れたマヨネーズ ザリ
4月09日(土) 97324 チューブ絞れば迸る愛 キリマンジャロ
4月09日(土) 97325 うららかに智恵子の空は晴れ渡り 伊都
4月09日(土) 97326 山の際まで菜の花の黄に キリマンジャロ
4月09日(土) 97327 日曜日うから集いて磯遊び とけた
4月09日(土) 97328 夜中になって済まぬ宿題 キリマンジャロ
4月09日(土) 97329 もしかしてこれは夢なのきっと夢 あずき
4月09日(土) 97330 お腹の空いた獏は来ないの とけた
4月09日(土) 97331 困ったらアンパンマンを呼んでみる 美句志
4月09日(土) 97332 作り直せば何時も復活 和
4月09日(土) 97333 捨てられた自転車磨き被災地に 蕗
4月09日(土) 97334 月のほほえみ手の平に受け あずき
4月09日(土) 97335 最果ての聖母マリアの白き像 美句志
4月09日(土) 97336 非力さに我ただ祈るのみ 唯
4月10日(日) 97337 テレパシーテレホンよりも役に立ち 天球
4月10日(日) 97338 定期考査はいつも満点 氷心
4月10日(日) 97339 一夜漬けまことに旨き夏始 あずき
4月10日(日) 97340 塩をかけると縮むなめくじ 美句志
4月10日(日) 97341 はかなくも結えずじまいの大銀杏 氷心
4月10日(日) 97342 甚句いよいよ哀調を帯び 唯
4月10日(日) 97343 潔くかしこで閉じる恋の文 キリマンジャロ
4月10日(日) 97344 心きりきりもてあます指 あずき
4月10日(日) 97345 ＣＴの画像に白い影がある 氷心
4月10日(日) 97346 お忘れ物はもしかしてこれ あずき
4月11日(月) 97347 はらはらとベンチに降りる花の精 ザリ
4月11日(月) 97348 お玉杓子の歌うせせらぎ あずき
4月11日(月) 97349 休火山ずっとそのまま起きないで ザリ
4月11日(月) 97350 地方選挙の結果敗北 鶫
4月11日(月) 97351 連立は嫌なんですと袖にする キリマンジャロ
4月11日(月) 97352 味見だけして買わぬ一見 ふさ子
4月11日(月) 97353 串団子うまいぐあいに焼きあがる 不用之助
4月11日(月) 97354 桃太郎なり雉を引きつれ ザリ
4月11日(月) 97355 地震続く北の地目指しボランテイア 唯
4月12日(火) 97356 どこでもゴロリすぐに眠れる おなすさん
4月12日(火) 97357 体型は狸ベストがよく似合う 藍
4月12日(火) 97358 時には重い君からの愛 ザリ
4月12日(火) 97359 街中を明るくみせて牡丹雪 不用之助
4月12日(火) 97360 珈琲の香の店に漂う 伊都
4月12日(火) 97361 流し眼でよく来たわねとサンパウロ 和
4月12日(火) 97362 豪華な衣装布はちょっぴり ばらずし
4月12日(火) 97363 車から水着姿を現して キリマンジャロ
4月12日(火) 97364 真夏の昼の夢をまだ追う 唯
4月12日(火) 97365 気ぜわしい兎と共に謎の国 あずき
4月12日(火) 97366 カダフィ大佐いまだ健在 ばらずし
4月12日(火) 97367 レベル７花いっせいに散りはじめ 唯(政府が福島第一原発事故について,「国際原子力事象評価尺度(INES)」の暫定評価を引き上げ)
4月12日(火) 97368 だましてないよ言えなかっただけ 藍
4月13日(水) 97369 不実からわが身を守る子を守る 唯
4月13日(水) 97370 凍った雪にすべる坂道 藍
4月13日(水) 97371 涙って人種も問わず暖かい ふさ子
4月13日(水) 97372 漢字使える国を増やさん 和
4月13日(水) 97373 パソコンの変換だけに頼り切り キリマンジャロ
4月13日(水) 97374 あらゆる機能付いた携帯 ばらずし
4月13日(水) 97375 何もない野原を風が爽やかに ゴロ
4月13日(水) 97376 コスモス揺れる荒れた山畑 ちいばば
4月13日(水) 97377 猪も腹が減るとは思えども ゴロ
4月13日(水) 97378 メタボ対策必要はなし ザリ
4月13日(水) 97379 代替のエネルギーさえ見つかれば 美句志
4月13日(水) 97380 自然侮る人類に罰 伊都
4月13日(水) 97381 めかり時アナログ時計のんびりと あずき
4月13日(水) 97382 カルチャーセンター枕草子 のら
4月13日(水) 97383 寝る前にエッセイ集を二つ三つ 天球
4月13日(水) 97384 猫のミイちゃんため息をつき ザリ
4月13日(水) 97385 聞こえくる郷で馴染みの田植え歌 とけた
4月13日(水) 97386 水の鏡が続いてる村 天球
4月14日(木) 97387 ライアンの娘のロケ地訪れて 美句志
4月14日(木) 97388 迷彩服の似合う足取り 不用之助
4月14日(木) 97389 知恵勇気与えるはずが与えられ ふさ子
4月14日(木) 97390 イソップ話瞳輝く 和
4月14日(木) 97391 足元をしかと見据えて歩む亀 みのり
4月14日(木) 97392 卯波立つ頃届く絵手紙 あずき
4月14日(木) 97393 現代は無縁社会か梅雨に入る キリマンジャロ
4月14日(木) 97394 精神科医はまず頷いて あずき
4月14日(木) 97395 さああなた昨夜見たのはどんな夢 キリマンジャロ
4月14日(木) 97396 当たるも八卦露地の占い ちいばば
4月14日(木) 97397 お化粧の最後の仕上げつけ黒子（ぼくろ） 美句志
4月14日(木) 97398 すらりと立ってぞっと流し目 藍
4月14日(木) 97399 余震あり福島クンに気が揉める 唯
4月14日(木) 97400 資質問われる国の指導者 ちいばば
4月14日(木) 97401 きっちりとルビの付いてる声明文 あずき
4月14日(木) 97402 姉は小女子兄も小女子 不用之助
4月14日(木) 97403 末弟は職員室にまた呼ばれ 唯
4月14日(木) 97404 窓から入る青い薫風 不用之助
4月14日(木) 97405 大の字になれば広がる夏の空 唯
4月15日(金) 97406 袴姿で太筆を持ち 美句志
4月15日(金) 97407 引っ詰め髪解いた君のあどけなさ ふさ子
4月15日(金) 97408 老いて今なお美しき人 伊都
4月15日(金) 97409 蝋梅は雨粒しばし留め置き あずき
4月15日(金) 97410 明日があるさと落ちる冬の陽 キリマンジャロ
4月15日(金) 97411 再生の企画各々持ち寄って ゴロ
4月15日(金) 97412 踊る会議に迷う菅さん キリマンジャロ
4月15日(金) 97413 ウイーンのカフェで甘ーいケーキ食べ ゴロ
4月15日(金) 97414 体重計の機嫌ななめに キリマンジャロ
4月15日(金) 97415 愛猫も妙齢を過ぎどてっ腹 ちいばば
4月15日(金) 97416 じっと眺める行き合の空 ゴロ
4月15日(金) 97417 人ごみを避けてランチはベンチから 不用之助
4月16日(土) 97418 母さんの味いまだ出せない ザリ
4月16日(土) 97419 我儘な遺伝子がまた邪魔をして キリマンジャロ
4月16日(土) 97420 実験室に夜がふけてゆく 藍
4月16日(土) 97421 花の香の立ち来るような細密画 鶫
4月16日(土) 97422 羽音ふるえる蜜蜂の群れ キリマンジャロ
4月16日(土) 97423 翌日は離れ離れになる仲間 唯
4月16日(土) 97424 指切りの手に熱き魂 キリマンジャロ
4月16日(土) 97425 見渡せば千本桜咲き誇り 美句志
4月16日(土) 97426 黄蝶白蝶青空へ舞う ザリ
4月16日(土) 97427 信号の赤に決意が揺らぎだし 唯
4月16日(土) 97428 婚姻届しばし待ってよ ハナ
4月16日(土) 97429 あにさんと呼んでおりますあれはひも あずき
4月17日(日) 97430 心使いは粋で細やか ザリ
4月17日(日) 97431 ぼうたんにそっと触れゆく風のあり キリマンジャロ
4月17日(日) 97432 封印されたままの城門 あずき
4月17日(日) 97433 札束が唸るほどある金庫だと キリマンジャロ
4月17日(日) 97434 防犯カメラと犬が見張って ゴロ
4月17日(日) 97435 緊張に身を震わせて巣立鳥 キリマンジャロ
4月17日(日) 97436 海がひろがる菜の花の先 ゴロ
4月17日(日) 97437 龍馬像思いは遥か未来へと キリマンジャロ
4月17日(日) 97438 大震災に若さたえぬけ ちいばば
4月17日(日) 97439 日本の規律世界を驚かせ ハナ
4月18日(月) 97440 働き蟻の列は続いて ザリ
4月18日(月) 97441 ワンルーム夜更けに開ける冷蔵庫 藍
4月18日(月) 97442 窓から覗く片割れの月 不用之助
4月18日(月) 97443 川底の砂に触れゆく落鮒に キリマンジャロ
4月18日(月) 97444 厚手のストール羽織るやや寒 あずき
4月18日(月) 97445 一言の重さに遠い帰り道 唯
4月18日(月) 97446 失った恋やるせなき日々 ゴロ
4月18日(月) 97447 流された家屋のローン保険金 のら
4月18日(月) 97448 津波あと地に咲きし水仙 ゴロ
4月18日(月) 97449 豊かなる故郷の海ただ眺め ちいばば
4月18日(月) 97450 ミルクたっぷり入れる珈琲 芳梅
4月18日(月) 97451 かき回す鉾の先から島生まれ 天球
4月19日(火) 97452 永久に残さん美しき国 ゴロ
4月19日(火) 97453 啄木の望郷の歌今哀し 伊都
4月19日(火) 97454 置き忘れたる恋は返らず ハナ
4月19日(火) 97455 本当のことが知りたい春暮れる 唯
4月19日(火) 97456 1万テラって10の何乗？ 蕗
4月19日(火) 97457 赤ちゃんのみている夢は果てしなく たつみ
4月19日(火) 97458 遥か彼方に終の道あり ハナ
4月19日(火) 97459 りょう線はナイフリッジに風強く ちいばば
4月19日(火) 97460 ザイルに結ぶ友の信頼 彗
4月19日(火) 97461 パソコンもプリンターでもワイヤレス 和
4月19日(火) 97462 ボーカロイドは般若経よみ あずき
4月19日(火) 97463 じじとばばまあ呑みねえと掘りごたつ 藍
4月19日(火) 97464 昔むかしの話懐かし 彗
4月19日(火) 97465 ヴェネチアの小さな島を巡る旅 藍
4月19日(火) 97466 ゴンドラに乗り命みじかし 天球
4月19日(火) 97467 恋せよと春の息吹がそそのかす 唯
4月20日(水) 97468 シュシュでまとめた亜麻色の髪 美句志
4月20日(水) 97469 古家の虫に食われた桐箪笥 合
4月20日(水) 97470 遺影の額に潜む三万 不用之助
4月20日(水) 97471 午後からは雨の気配のお昼前 ザリ
4月20日(水) 97472 得した気分春日うららか ちいばば
4月20日(水) 97473 庭の隅植えたはずない菫草 キリマンジャロ
4月20日(水) 97474 うつむき加減恥じらいを込め 美句志
4月20日(水) 97475 スカートを噛んで穴あけ叱られて ちいばば
4月20日(水) 97476 コンと狐の声がしたよな ゴロ
4月20日(水) 97477 何時になるＫＵＳＡＲＩ十万到達は ザリ
4月20日(水) 97478 ファンファーレへと紡ぐ言葉よ 唯
4月20日(水) 97479 花軍粋な女の島田髷 あずき
4月20日(水) 97480 ウグイス嬢は若さはつらつ のら
4月20日(水) 97481 澱みなき川の流れを政治にも ザリ
4月20日(水) 97482 胸のつかえが取れぬまま朱夏 唯
4月20日(水) 97483 あのひとの帰らぬわけのあれやこれ 藍
4月21日(木) 97484 オーナーシェフのパスタ最高 ザリ
4月21日(木) 97485 流出の家より救った姑（はは）の笑み 麦
4月21日(木) 97486 瓶に挿したる桃の花咲く キリマンジャロ
4月21日(木) 97487 あの人の本がいまだに棚にある 唯
4月21日(木) 97488 愛という字をなぞる筆先 キリマンジャロ
4月21日(木) 97489 神様が農家の嫁の体借り 天球
4月21日(木) 97490 「受胎告知」を倉敷に見る キリマンジャロ
4月21日(木) 97491 何もかも失って今一人旅 芳梅
4月21日(木) 97492 いつか必ず友は現る ハナ
4月21日(木) 97493 浜岡はすぐに停めてと手紙書く 蕗
4月22日(金) 97494 民草の声届かない耳 唯
4月22日(金) 97495 王様はロバだと言った賢い子 のら
4月22日(金) 97496 一＋一＝三人になり ザリ
4月22日(金) 97497 数独を解けばいよいよ長い夜 唯
4月22日(金) 97498 替え芯切れたシャープペンシル 天球
4月22日(金) 97499 パチンコに現を抜かす夫がいて キリマンジャロ
4月22日(金) 97500 見せて下さいせめて夢でも ひわ
4月22日(金) 97501 手のひらの小さなガラスの靴光り あずき
4月22日(金) 97502 雨があがって白馬いななく 藍
4月22日(金) 97503 もうま近イギリスロイヤルウェディグ ばらずし
4月22日(金) 97504 心を込めて創る紋章 キリマンジャロ
4月22日(金) 97505 父が子に相伝の技伝授して たつみ
4月22日(金) 97506 蒲公英の道いつかなくなり ザリ
4月22日(金) 97507 遠くから１０トントラック流れ込み ちいばば
4月22日(金) 97508 本降りの雨川を濁して ザリ
4月22日(金) 97509 謎解きの村の生い立ち読了す とけた
4月22日(金) 97510 すぐりと名乗るフィギア女王 和
4月22日(金) 97511 最強の敵は己の中に棲み ふさ子
4月22日(金) 97512 手術でとったこれが結石 藍
4月23日(土) 97513 窓際のコップにさした霞み草 ザリ
4月23日(土) 97514 海辺で買った麦藁帽子 とけた
4月23日(土) 97515 人間を証明すると詩を綴り 天球
4月23日(土) 97516 Ｂの鉛筆トキトキの芯 ザリ
4月23日(土) 97517 ぽっきりと折られて哀し曼珠沙華 ひわ
4月23日(土) 97518 母さんの愚痴思い出されて ザリ
4月23日(土) 97519 大空に浮かぶ真綿のような雲 ひわ
4月23日(土) 97520 望むアルプスあれは立山 ザリ
4月23日(土) 97521 頑強な君のいた頃飲んだ酒 芳梅
4月23日(土) 97522 思わず口が歪むすかんぽ キリマンジャロ
4月23日(土) 97523 花の雨最後のお願い街宣車 のら
4月23日(土) 97524 復旧工事の音の嬉しさ 唯
4月23日(土) 97525 校庭に子供の跳ねる日を思う ゴロ
4月23日(土) 97526 鞄を下げた郵便屋さん 美句志
4月23日(土) 97527 五月冨士一際高く聳え立ち とけた
4月23日(土) 97528 ワイン弁当開く二人で 唯
4月23日(土) 97529 好き嫌い君と僕とで違うけど キリマンジャロ
4月23日(土) 97530 町村合併置いてきた道 不用之助
4月23日(土) 97531 旧姓が残る古びた古語辞典 唯
4月23日(土) 97532 いろはにほへと初心忘れず 芳梅
4月23日(土) 97533 あさき夢ともに見ようと迫られる 唯
4月23日(土) 97534 しずかな雨にしっぽりと濡れ 藍
4月24日(日) 97535 銀山の温泉宿の蛇の目傘 和
4月24日(日) 97536 半玉さんのぽっくりの音 美句志
4月24日(日) 97537 ほんのりと灯りの点る夕間暮れ ひわ
4月24日(日) 97538 風評被害ラジオ伝える 芳梅
4月24日(日) 97539 青々とほうれん草の卵焼き ザリ
4月24日(日) 97540 老いてなおます母の思いで ちいばば
4月24日(日) 97541 ふる里にとんぼ返りで叔父見舞う 鶫
4月24日(日) 97542 新幹線とゆるり江ノ電 不用之助
4月24日(日) 97543 人影の疎らに見ゆる観光地 キリマンジャロ
4月24日(日) 97544 ペアールックでポタリングして 美句志
4月24日(日) 97545 年賀状ふたり素敵にエイジング 唯
4月24日(日) 97546 動けば小言息も遠慮し 天球
4月24日(日) 97547 保護色を攻撃に変えカメレオン ちいばば
4月24日(日) 97548 熱帯雨林と二酸化炭素 ザリ
4月24日(日) 97549 地球日本私の未来暗澹と 唯
4月24日(日) 97550 何はともあれ蛇穴に入る キリマンジャロ
4月24日(日) 97551 邯鄲の枕にサゲをこじつけん タヌ公
4月25日(月) 97552 人の一生束の間の夢 ひわ
4月25日(月) 97553 薄日差し流れる雲の月曜日 ザリ
4月25日(月) 97554 新社員待つ鬼のお局 ふさ子
4月25日(月) 97555 世代ごと違うニホン語通じ合い ちいばば
4月25日(月) 97556 コントラバスの響きおおらか 不用之助
4月25日(月) 97557 発車する震災復旧新幹線 兎
4月25日(月) 97558 雲間のひかり花を照らして 天球
4月25日(月) 97559 峠より振り返る目に春の虹 キリマンジャロ
4月25日(月) 97560 十人十色肩を寄せ合う 伊都
4月25日(月) 97561 君と居てひとつ吐息をついてみる ばらずし
4月25日(月) 97562 疲れたのかい早く帰ろか ゴロ
4月25日(月) 97563 優しさに包まれて咲く乙女子よ ちいばば
4月25日(月) 97564 戦闘機飛ぶ沖縄の空 ザリ
4月25日(月) 97565 泡盛を真ん中にして集う友 キリマンジャロ
4月25日(月) 97566 都市の路地裏ビルの三階 ザリ
4月25日(月) 97567 夜が更けりゃ我がもの顔のクマネズミ 和
4月26日(火) 97568 大黒様は豊穣の神 ひわ
4月26日(火) 97569 桃の花段々畑を染め上げて ザリ
4月26日(火) 97570 あたり飛び交う蜜蜂の音 ゴリ
4月26日(火) 97571 遠霞太平洋に波も無く 伊都
4月26日(火) 97572 逢うはずだった友の俤 藍
4月26日(火) 97573 ひそやかに雨降る夜のブランデー ゴロ
4月26日(火) 97574 元気ください佐野洋子読む 唯
4月26日(火) 97575 カチンコが鳴りスーちゃんが語りだし キリマンジャロ
4月26日(火) 97576 ＣＭはまたそうめんの夏 ばらずし
4月26日(火) 97577 擬宝珠の橋の上行く金魚売り 兎
4月26日(火) 97578 路面電車を今も残して ゴロ
4月26日(火) 97579 一張羅着せられ撮った写真館 ひわ
4月26日(火) 97580 あの日の我が家ショーウィンドに 唯
4月26日(火) 97581 愛犬の名はソクラテス耳垂れて あずき
4月26日(火) 97582 野生漲る恋人のノラ 天球
4月26日(火) 97583 何もかも捨てて私になった朝 唯
4月26日(火) 97584 海岸埋める白い巻貝 不用之助
4月26日(火) 97585 異変あり黒い鳥影覆う空 唯
4月26日(火) 97586 ヒッチコックの背が遠ざかる 藍
4月26日(火) 97587 デモクラシー衆愚政治もやむなしか ちいばば
4月27日(水) 97588 ヒメジオンの花風にささやき ザリ
4月27日(水) 97589 春日影公園デビューの乳母車 ひわ
4月27日(水) 97590 屋外遊戯阻む放射能 伊都
4月27日(水) 97591 黙々と遺体を探す自衛隊 たつみ
4月27日(水) 97592 想いをそっと隠す埋火 キリマンジャロ
4月27日(水) 97593 美しき歯形のつきし冬林檎 兎
4月27日(水) 97594 キャラ弁作る海苔とウインナ のら
4月27日(水) 97595 治虫氏にリクエストするドラエモン 天球
4月27日(水) 97596 トキワ荘跡遊糸揺らめく ふさ子
4月27日(水) 97597 三味の音の物憂き路地の春くれて ゴロ
4月27日(水) 97598 竿竹売りの声ものどかに 伊都
4月27日(水) 97599 頑張った自分を褒めて甘やかす ザリ
4月27日(水) 97600 漉し餡よりも粒餡が好き 和
4月27日(水) 97601 似てないが姉妹それぞれ魅力的 ふさ子
4月27日(水) 97602 石楠花寺の仏あでやか あずき
4月28日(木) 97603 夏の虫せっせせっせと土の中 ザリ
4月28日(木) 97604 命を繋ぐ汗の尊さ ひわ
4月28日(木) 97605 君といるそれが幸せ今の僕 ザリ
4月28日(木) 97606 くすぐったいと山が笑って 鶫
4月28日(木) 97607 遠足の列は大きく円描く 不用之助
4月28日(木) 97608 俵型なの母のおむすび 唯
4月28日(木) 97609 伝統は今も心に息づいて キリマンジャロ
4月28日(木) 97610 五重の塔に沈む太陽 ザリ
4月28日(木) 97611 松籟に来し方思う旅の夜 ゴロ
4月28日(木) 97612 良いことばかり残る絵日記 キリマンジャロ
4月28日(木) 97613 横顔を決して見せないミッフィーも 唯
4月28日(木) 97614 フェルメール見るオランダの旅 ばらずし
4月29日(金) 97615 ちゅうりっぷ種ができる事知りました ザリ
4月29日(金) 97616 苦労を積んで掴む人心 ひわ
4月29日(金) 97617 原発の収束になお道遠く 鶫
4月29日(金) 97618 マリンブルーとスカイブルーと ザリ
4月29日(金) 97619 私を置いて去りゆく白い船 唯
4月29日(金) 97620 蝉じんじんと三伏の頃 あずき
4月29日(金) 97621 汗かいたシャツを次々脱ぎ捨てて キリマンジャロ
4月29日(金) 97622 冷えた西瓜の種の未熟さ ザリ
4月29日(金) 97623 菅さんを選んだことを後悔し キリマンジャロ
4月29日(金) 97624 クリーニング屋さんの鼻歌 不用之助
4月29日(金) 97625 女房の皺を伸すは無理だねえ ゴロ
4月29日(金) 97626 美しく年ふたり重ねて 唯
4月29日(金) 97627 裏庭の木戸を止めてる赤いゴム 不用之助
4月30日(土) 97628 ヒメシャガの花少し日陰に ザリ
4月30日(土) 97629 罪かしらあなたの愛を望むのは ひわ
4月30日(土) 97630 家老の姫の胸に十字架 麦
4月30日(土) 97631 教会の鐘の響けば風光り キリマンジャロ
4月30日(土) 97632 水面を滑る片翅の蝶 美句志
4月30日(土) 97633 フィナーレは階段埋める宝塚 のら
4月30日(土) 97634 夢がかなって星が降る夜 藍
4月30日(土) 97635 リハビリであの娘が杖を捨てられた たつみ
4月30日(土) 97636 花嫁の持つ青いハンカチ のら
4月30日(土) 97637 イニシャルが変わる貴女をただ見つめ 唯
4月30日(土) 97638 かさこそとゆく落ち葉散る道 彗
4月30日(土) 97639 寒雀羽毛膨らみ鞠のよう ザリ
4月30日(土) 97640 米粒に書く極小の文字 美句志
4月30日(土) 97641 予備メガネ非常持ち出しチェックする 唯
4月30日(土) 97642 秘書を連れてくはずの温泉 不用之助
4月30日(土) 97643 涅槃会の山峡の寺暮れてゆく とけた